今年の箱根駅伝も様々な名場面が生まれましたね!
今回は、2025年箱根駅伝の名場面【復路編】を振り返ります。【往路編】と合わせてご覧ください。
青学大・野村が6区山下りで区間新 大記録生まれる
2日目復路でも多くの名場面が生まれましたが、その口火をきったのが青学大・野村昭夢選手(4年)
歴代最高タイムを30秒上回る56分47秒の驚異的な区間新記録をマークしました。
野村選手が6区山下りを走るのは昨年に続き2回目。「1年間、56分台を目標に取り組んできた」努力が実った結果となりました。
原監督は、復路スタート前にこうコメントしています。
「山下りできちっと野村が走ってくれれば、7、8、9、10は余裕を持って帰れる。ピクニックランで帰りたい」
“ピクニックラン”とは、原監督のユーモアですね。SNS上で「軽視してる」とか「他校をバカにしている」といった批判コメントもありましたが、決して“手を抜いて走る”という意味ではないことは、青学大の強さを見れば分かります。
駒澤大・佐藤圭汰 箱根の舞台で見事な復活をとげる!駒澤大復路優勝に貢献!
ピクニックランと言った原監督の青写真どおりにならないのが、箱根駅伝です。
6区で青学大が驚異の新記録をたたきだしたかと思えば、7区で駒澤大の佐藤圭汰選手(3年)もまた、驚異の新記録をたたき、首位青学大との差を縮めました。
1時間00分43秒の区間新記録を達成、これまでの区間新記録を57秒も更新しました。
佐藤選手は、高校時代に1500m、3000m、5000m各種目の高校生記録を打ち立て、駒澤大に入学した期待のスーパールーキー
昨年の箱根駅伝では、2年で初出場を果たすも、3区で青学大・太田選手と10Kmに渡るデットヒートを繰り広げ、最終的に4秒差で首位を譲り、悔しい経験をしました。
今シーズンは恥骨の故障により、駅伝出場はなし。今回の箱根が10か月ぶりのレースでした。
順風満帆な道ではありませんでしたが、今回の箱根の舞台で見事な復活劇を見せてくれました。
10か月ぶりのレースですから、仕上がりは100%ではなかったでしょう。しかし、駒澤大の復路優勝に大きく貢献したこの走りは見事でした。
懸命に王者青学を追いかける姿にも感銘を受けました。来年も楽しみです。
最終10区で東洋大・帝京大・東京国際大・順天堂大の4校が白熱したシード権争い
最終10区の6Km手前で東洋大・帝京大・東京国際大・順天堂大の4校が8位で並ぶ展開になりました。
1校がシード権を逃す激しい争いは、中盤以降も並走が続きます。
はらはら、どきどきしながら見ていると、残り1Kmきったところで東京国際大が飛び出し、8位でフィニッシュ。9位東洋大学、10位帝京大学と続きます。11位順天堂大学はシード権にわずか7秒届かず、涙を流す結果となりました。
最終10区のシード権争いといえば、第87回大会でコース間違いハプニングがありましたね。筆者はこれを思い出しながら見ていました。走っている本人たちは周りが見えなくなるくらい真剣なのでしょう。
青学大 2年連続8度目の総合優勝 大会新記録樹立!
今回の箱根駅伝を制したのは、青学大
10時間41分19秒の大会新記録で2年連続8度目の総合優勝を果たしました。
青学大は10区間中5区間で区間賞をとってますから、文句なしの圧勝です。
今大会では4つの区間新記録が生まれていますが、そのうち2つは青学大です。
2025年箱根駅伝 区間賞一覧 ★は区間新記録 | |||
---|---|---|---|
1区 | 中央大 | 吉居駿恭(3年) | 1時間01分07秒 |
2区 | 東京国際大 | リチャード エティーリ(2年) | 1時間05分31秒 ★ |
3区 | 中央大 | 本間颯(2年) | 1時間00分16秒 |
4区 | 青山学院大 | 太田蒼生(4年) | 1時間00分24秒 |
5区 | 青山学院大 | 若林宏樹(4年) | 1時間09分11秒★ |
6区 | 青山学院大 | 野村昭夢(4年) | 56分47秒★ |
7区 | 駒澤大 | 佐藤圭汰(3年) | 1時間00分43秒★ |
8区 | 青山学院大 | 塩出翔太(3年) | 1時間04分14秒 |
9区 | 城西大 | 桜井優我(3年) | 1時間08分27秒 |
10区 | 青山学院大 | 小河原陽琉(1年) | 1時間08分27秒 |
國學院大・平林清澄 報告会で感動のスピーチ
出雲駅伝、全日本大学駅伝を制覇した國學院大は、箱根駅伝で3冠を目指していましたが、惜しくも3位に終わりました。
エースで主将の平林清澄選手(4年)は2区を担当しましたが、自らの思うような走りができず、悔しさをあらわにしました。
「後半上がらなかったのは、自分の弱さだと思います。最後の箱根駅伝だったので、自分のなかでも大事にしたいと思っていましたし、次につなげていかないといけなかったですけど、レース展開というところで悔しい、悔いが残るかたちになりました」
また、彼は、レース終了後の國學院大報告会において主将としてあいさつをしたのですが、涙ながらに堂々としたそのスピーチが、駅伝ファンから絶賛されているんです。
「歴史を変える挑戦。正々堂々と最後まで青学と駒大と勝負ができた。こんなにうれしいことはない。もう本当に日本一幸せな、こういう挑戦ができる年の主将でいられて日本一幸せだと思います。ここだけは駒大にも青学にも負けてない。こういうチームで1年間やれたことがほんとに幸せです」
「そして最後に前田さん」と言うと、ステージ脇にいた前田監督が「泣くからやめよう」と涙目で阻止。平林選手は「やめましょう」と言いながらも前田監督に感謝の思いを伝えました。
「主将に選んでくれてありがとうございました。僕を国学院に呼んでくれてありがとうございました。1年間一緒にやれてよかった。4年間一緒にやれてよかった。ほんとにありがとうございました」
最後には後輩たちにメッセージ
「たすきはつなぎました。あとは後輩たちが多分来年、大手町にトップでたすきを叩き込んでくれると思います。そしたら俺、来年もいるからね。俺も一緒に胴上げしてね。俺も一緒に胴上げして。胴上げされたい」
このスピーチで会場は感動につつまれます。
走りでも実力のある平林選手ですが、このスピーチを聞くと、彼の素晴らしい人間性がうかがえます。大学卒業後の活躍にも期待が高まりますね。
【番外編】今年のシューズ アディダスがシェア1位
箱根駅伝シューズシェアはこれまでナイキの一強状態でした。
オリンピックを始めとして、世界的なメジャーレースでもナイキの厚底シューズを履く選手の活躍が目立ってましたからね。
しかし最近では、各社次々と厚底シューズモデルを出しており、ナイキ一強状態ではなくなってきています。
特に今回の箱根駅伝で多かったのは、これ
アディダス アディゼロ アディオス プロ エヴォ1(ADIZERO ADIOS PRO EVO 1)
一般的なカーボン入りシューズが片足200グラム前後なのに対し、同シューズは138グラム(27cm)と超軽量
またパーツの組み立てから仕上げまで職人の手で行うため、定価8万2500円とかなり高額なシューズです。
さすがに市民ランナーには高額すぎますが、比較的お求めやすい価格のアディゼロもあります。
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